京都である理由
最後にひとつ質問というか。
僕も杉木さんと一緒で、昔は東京に支社があるところで働いてたので、東京の仕事もしてたことあるんです。今も東京や京都以外のクライアントもたくさんあるんですけれど。
やっぱり東京ってすごく仕事がしやすいじゃないですか。スマートで話も早いし、「安く買ったことを自慢する関西と、高く買ったことを自慢したい東京」と言うか、フリーランスでやるには東京の方が圧倒的に有利だと思うんです。
それで、一時期は一週間のうち半分ぐらい東京っていう時があったんで、向こうに行っちゃおうかなっていう事も考えたんですけど、その時に、杉木さんが「軸足は京都に置いとかなあかん」って言わはったんですよ。
そうこうしているうちに震災とか色々なことがあって、東京の仕事が減ったりして、結果的に京都メインになってるんですけど。
杉木さんが東京の大学で勉強して東京で就職しても、今京都に拠点を置いてはる理由は、やっぱり京都が良いからでしょうか。大体は売れると東京行っちゃうんですけれど。
うーん。やっぱりスケール感が京都なんやろうね、きっと。東京へたまに行った時に、立ち並ぶビルのアトリエとかに行ったりするけれど、やっぱりあんまり好きじゃない。ずっとここで暮らすのはしんどいな〜っていうのがある。
東京には6年居たけども、まぁ若い時は良いけど、住むのは京都かなっていうのがあったし。それと情報量があんまり変わらんようになったでしょ。だからそういう意味でも、別に東京にいる必要がないしね。
そうですね、まあ近くなりましたし。新幹線で2時間半ですもんね。
でも、その美術展とか、色んなイベントを見ると、東京の方が良いなと思う時があるんですけどね。なんか、京都そうですよね。。軸足は京都。和空の人は、みんなそうですもんね。
中塚さんとも話ししてて、「そら東京行って勝負して、東京で1番になるよりは、京都で1番になる方が簡単やで」と。でも、京都で一番になるってのが、本当は一番難しかったりするんやけどね。
なるほど。東京で1番っていうことは、世界一に近いですからね。その辺のお話は、深く長いことになってしまうので、またお酒でも飲みながらゆっくりと。
なんやかやと話してきたけれど、まとめると僕らは結構いい時代に生きてこれてると思う。ありがとう。
<最後に>
こういう感じで杉木さんとお話をしたのも久しぶりな気がします。「WA-Qu 和空」の次の活動に関しては、杉木さんから「まぁ、来年のベネチア・ビエンナーレかな」とのお答えをいただきました。
最初から杉木さんはじめ、和空のメンバーには教わることが多すぎて、末っ子みたいに兄姉(先輩)達についていくのが精一杯でしたが、和空唯一のグラフィックデザイナーで名付け親である僕としては、ベネチアにもついて行くつもり。最近は和空のみんなと会うのも年に数回となっているので、またデザインで何か起こせると思うととても楽しみです。
(了)
撮影地:株式会社スペース
撮 影:松井学(Studio MacCa)
協 力:二木繁美